前回のエントリーの続きです。

性能的にはどんなもんかなぁということで、大量に市中に出回っているU-blox社のNeo 6Mモジュール搭載受信機を買ってみました。明るいうちに下準備を済ませ、車通りが落ち着く夜間を狙っての走行試験です。ちょっと見にくいのですが、青色発光しているのが6Mの受信機。その右手前には、M8Tに繋げているアンテナがあります。どちらも、フロントガラス一杯まで前に押し付けて、滑り止めシートの上に設置しています。お盆頃にM8TのテストをしていたときはTallysmanというメーカーのものを使っていましたが、先日導入したM8PのRTKキットの基地局側用にしたため、玉突き的にそちらを流用しています。


車内からはこんな感じです。車内灯が白色LEDの爆光タイプなので、フラッシュなしで撮影しました。


ログは、今回はTeraTermにお任せしました。

NMEA(GGA)データをKMLに変換し、Google Mapに読み込ませました。ピンクがM8T、紺が6Mです。全体的にはどちらもマップに乗っていそうな感じがしますが…


当別の道の駅に立ち寄った際のデータは、路外に飛び出してます。(x_x) アンテナの位置が車の左端で、車幅が1,820mmなので道路の際までいってしまうのは仕方ないにしても、ちょっと厳しいですね。。。


道の駅で停車中のログデータです。アンテナの性能もおおいに影響しているんだろうと思われますが、紺の6Mの軌跡が暴れまくっています。写真下のほうから侵入し、数分間停止ののち、そのまま前進して上のほうへ進んでいます。M8Tのほうが車の軌跡としては(細かいところは目をつぶってみると)自然な動きを表現しているように思います。


翌日の昼間、受信機やRaspberry Piで作ったロガーなどをタッパーにまとめ、オープンスカイな環境に止めた車の屋根に仕掛けてログをとってみました。比較のため、先日RTKキットのテストをしたときのデータも一緒に載せました。


拡大しました。車を止めた場所が違うのでオフセットはご勘弁ください。紺が6M、ピンクがM8T、白〇がM8PのRTKです。日にちが違うので衛星配置が…とか、色々あるとは思いますが、そんな事情は現場には必要ないので、無視することにします。

さすがはRTKって感じで、微動だにしないためKML変換したデータをMapにうまく表示できませんでした。対してDGNSSは、ばらつきはそれなりに存在しています。データ点数も違っているので見た目で判断しないほうがいいのだろうとは思いますが、それにしても6Mのほうが移動量が大きそうな印象をうけます。とはいえ、(U-blox以外のL1受信機を試用していないので期待や不安はあるものの)1,000円そこそこの受信機(しかもアンテナ込み)で大雑把な位置が把握できることは間違いないですし、お求めやすい価格帯のセンサを組み合わせることで、もっと追い込めるようにはなりそうですね。


安ければいいっていう話ではないのは理解できます。この石狩川を渡る区間なんかでは顕著なのですが、橋を渡り始めてから数秒間は空が開けていない状態で、ここでは受信機+アンテナの価格差が露骨に表れているようでした。こういうデータをみるとつい、自動運転というものの限界に興味がわきます。

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この受信機の使い道ですが、当面は、ざっくりした位置情報が取得できればいいかと思うので、Raspberry PiのGPIOピンに挿しっぱなしで使おうかと思います。そうすると、Raspberry Piは内部に時計を持っていないので、起動時の時刻合わせをするなんていう、王道的な使い道になるのかな。6Mは上位のものと比べて時計の機能が甘いという話ですが、とはいえ全く時計を持っていないRaspberry Piをオフラインで使う際に時刻合わせができるようになると、データの管理なんかには役立つなと思います。